- アーティスト: ポルノグラフィティ
- 出版社/メーカー: インディペンデントレーベル
- 発売日: 1999/12/10
- メディア: CD
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2019年の9/8でデビュー20年を迎え、10年ぶりの東京ドーム公演を成功させたポルノグラフィティ。
近年はデビュー前後話に焦点を当てられることも僅かながらあるものの、詳細はなかなか触れられないインディーズ時代。
2016年3月にあったファンクラブイベントで、インディーズ時代verの『ヒトリノ夜』が披露され、そのMCで本人たちは当時の音源を持っていないとのことだから、再音源化は難しいと思われる(その『ヒトリノ夜』さえ、YouTubeに転がっている音源を元に音取り、いわゆる耳コピをして再現したそうだ)。
FANCLUB UNDERWORLD 5 Live in Zepp DiverCity 2016 [DVD]
- アーティスト: ポルノグラフィティ
- 出版社/メーカー: SE(SME)(D)
- 発売日: 2016/10/26
- メディア: DVD
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ということで、アップされては削除され、再アップ、を繰り返すインディーズ時代の音源を、2016/10/22現在視聴できる範囲でまとめておこうと思います。
※2021/7/4
当然ながら削除される動画多しですが、まとまった動画があったので追記。
先述のライブで参考にされたと思われるインディーズ時代のヒトリノ夜。
振られたと思われる主人公がやけに後ろ向きで暗い…。
メロディはほとんどスタジオ版と同じだけど、ギターソロ前のユニゾンがなかったり、歌詞が違ったりと細かな違いはある。
Aメロは低く作られたが、当時の昭仁さんの音域的に難しいこともあり現在のメロに書き直されたとは、FCUW5からのMC。
ちなみに、「インディーズ」とはいうものの、この曲の作曲は今でこそ、いきものがかりのプロデューサーとしても有名な本間(ak.homma)さんであり、この時期は「メジャーデビュー準備期間」とも呼ばれているらしい(要出典)
その時期に作られた曲の多くが、1stアルバムの『ロマンチスト・エゴイスト』収録曲であることは、ファンの間では有名。
2020年に入ってインディーズ時代の映像が次々とアップされる事態が起きているが、オフィシャルにリリースされたライブDVDに3人時代のアポロ、ヒトリノ夜が収録されていないことを考えると、インディーズ時代のこの映像は貴重と言える。
違法性を問われれば閉口する他ないが。
- アーティスト: ポルノグラフィティ,ハルイチ,アキヒト,ak.homma
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
- 発売日: 2000/03/08
- メディア: CD
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Jazz up
ロマエゴのオープニングナンバーであるJazz Upも、基本的なメロディが変わらないけど、歌詞が異なる。
ジレンマ
ライブ最後に演奏される、定番曲『ジレンマ』。
メンバー曰く、「2番目に作った曲(1曲は秘密)」(出典:ワイラノクロニクル)、と思っていたけど、FCUW5では「最初にできた曲なんだよね〜」とも語られていた。
ポルノグラフィティ ワイラノクロニクル―B.PASS SPECIAL EDITION
- 作者: B-PASS
- 出版社/メーカー: シンコーミュージック
- 発売日: 2001/03/01
- メディア: 単行本
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スタジオ版と構成は同じだけど、歌詞はもちろん違うし、なんだがもっさりしている。
お馴染みのジレンマはもっとスタッカート感あるよね、ドラマーが違うとこうも変わるのか、アレンジがそうするのか。
※2019年に開催されていたポルノ展でインディーズ時代のサボテン、ジレンマの映像が公開されていたが、それを観る限りデビュー後のジレンマとキーやテンポは同じだった。
この映像(音源)が半音下げなのは、当時はテープだから劣化している?からだと思われる。
デッサン
1stアルバムにも収録され、4thアルバムまでシリーズが作られた曲。
デビュー後よりも半音キーが低いほか、歌詞も一部異なる。
何よりサビの「セロリが嫌いなことだけ」、
Cメロの「僕と君との幸せを考える それは僕自身を切り刻むことなんだ」
という衝撃的な歌詞が一部ファンの間では有名。
上記を含む歌詞は当初昭仁さんが書いていて、どんなフラれ方をしたんだと晴一さんをして「人でなし」と言わせしめた曲。
余談だがこの頃のポルノ、特に昭仁さんって、清志郎さんとかイエモン(吉井ロビン時代)の影響あるようにも感じる。
ビジュアルに関してはつんく♂感。
ロマンチスト・エゴイスト
1stアルバムのタイトルにもなっているこの曲。
インディーズ時代verは初めて観た。
けど、作曲者はメンバーではないので恐らく「準備期間」に作られたのではないか。
ちなみに、スタジオ版より半音高い。
このライブのキーボード、誰なんだろう。
PRIME
ミュージック・アワーのカップリングに収録されている楽曲。
ライブ音源と思われるが、イントロがよりジャジーになっている以外はほぼデビュー後と同じであること、他のインディーズ曲と比較すると完成度の高い曲であること考えると、デビュー準備期間に制作されたのだろうか。
ワイラノクロニクルでもTamaが語っていたけれど、デッサンはじめ(当時の)昭仁さんの喉に負担の大きそうな音域の広い曲だなあと感じる。
Tokio Graffitti
インディーズ時代の動画を探し続けて八年…漸く辿り着いた
— 剱持正志 (@kenmochi01) 2020年3月11日
そこにはリビドー#ポルノグラフィティ #インディーズ#TokioGraffitti#リビドー
音割れすごいから映像を楽しんでる感じ
消される前に保存しといてよかった… pic.twitter.com/Wfw78buoMU
後のリビドー。
「Crazy about you」→「Tokio Graffitti」→『リビドー』と変遷を経ている。
デビュー準備期間というだけあって、他の映像に比べるとビジュアル(特に衣装、髪型)が安定している・・・。
チラッとうつるキーボードはジャッキー池田氏だろうか。
Don't Bite My Legs ~ Jazz Up ~ LION ~ メランコリックグライダー ~小さな鉢のサボテン ~ ロマンチスト・エゴイスト
ここからはデビュー後、音源化されていない曲、あまり触れられていない曲を挙げていこうと思います。
メンバーのキャラ設定がブレブレなこの時期。初々しい。
しかしオーディションの模様の晴一さんはなぜこの髪型にしたのか。田舎から上京した坊主感バリバリ。テレビ収録に気合入れて失敗してしまったのか。
それは置いといて、まず演奏力が高い。
歌のうまさは言わずもがな(「遅かれ早かれでてくる」と評される)、4人だけなのに音圧がある、リズム隊は安定している。晴一さんはこの頃からアヒル口。
メジャーデビューした3人はもとより、このドラマー楽しそうに演奏しているし、好きだけどなー。諸事情はわからないけれど、デビューまでは在籍しなかった。
Jazz Upは先ほどと同じライブ内容なので割愛。
LIONも、メジャーデビュー後は「ライオン」として収録されている。
以前も書いたように、LED ZEPPELINライクなハードロック路線のスタジオ版に比べ、インディーズ版はカッティングが映える。
メランコリックグライダーはインディーズ時代の曲の中でも、個人的に特に好きな曲です。
ベースソロがあり、キーボードが映え、ギターはワウワウ。
ある意味、最もポルノっぽくない曲。
こればかりはどうにか、歌詞も聞き取れるかたちで再音源化されること願ってしまう。
サボテン99
サボテンは複数バージョンがあることは有名ですね。
※ただしこの名称(サボテン99)としての楽曲は正式には存在しないという話も聞く
サボテン、サボテンsonority、小さな鉢のサボテン、サボテン'99、ベースのTamaがソロライブで披露したというクリスマスバージョンも含めると少なくとも、5種類はある。
この映像に収められているのはスタジオ版と比べ軽やかで、爽やかなサウンドだけど、サボテン'99はゴリゴリしている。
小さな鉢のサボテン
1つめはデビューまもなくに持ったラジオ番組での弾き語りver. でしょうか。
歌詞は先のサボテン99にも、デビュー後のサボテンにも通じるものがある。
ちなみに、サボテンに関するエピソードは関西地域のみの放送だったと思われる、この番組で言及されています。
Tamaに関しても触れる、珍しいシーン。
winter's man
ポルノはアゲハ蝶、サウダージはじめラテン調の楽曲が強みと言われることは少なくない。この曲はその傾向が垣間見える。
歌詞も聞き取れるし、なんならコピバンでやろう!となっても音取りができるくらいには音質も良い貴重な音源(削除済み)。
インディーズ時代の作曲は全てと言っていいほどTamaが担当していたとのこと。
話から察するにお金もなく、現代のようにYouTubeで世界の曲に気軽にアクセスできたわけでもないこの時期に、これだけバリエーションに富む作曲ができるTamaはやっぱりすごい。
M・O・O・D
これはメンバーの特徴がすごくでている曲だと思う。
メジャー後の楽曲なら「見つめている」に通じるねちっこいボーカル。
女性目線のスリリングな歌詞。
それを仕立て上げるようなドラマチックな曲構成。
なぜデビュー時に採用しなかったのか不思議なくらい、完成度の高いこの曲。
薄々感じているかもしれないけど、インディーズ時代は4人の音しかないだけあって、ギターがギターっぽい、言うなれば今以上にバンドサウンドであるとも言えるね。
アウトロはライトハンド奏法でしょうか。こういう、晴一さんのルーツロックな部分が楽しめるのも、インディーズ楽曲の特徴。
※2020/1/17 追加
M・O・O・Dのライブ動画を発掘。
冒頭のMCで「最初に作った曲」と紹介している。
デビュー以降、頑なに最初の1曲めは「秘密」とされてきたり、時期やインタビューによってはジレンマが1曲めとされていたり。
思惑は本人たちのみぞ知る、だが、インディーズ初期からジットリ・粘っこい、捉えようによっては 瞳の奥をのぞかせて だったり カメレオン・レンズ にも繋がる女性目線の大人の恋愛歌詞、あるいはサウダージの「男の中にもある女々しい部分」的な女性歌詞の土台があったんだな、と。
初めて作ったオリジナル曲だと明言してますね🤔
— 剱持正志 (@kenmochi01) 2020年3月16日
140秒が限界か…それにしてもイケイケな感じが良い#ポルノグラフィティ #インディーズ #MOOD
イントロのベースが心地よい pic.twitter.com/NAkT8UMiXK
Busy
制作時期などの詳細は見たことがないけれど、音源・映像が鮮明な曲。
このライブ自体は映像化されているようで、他にも
POW、LION、ジレンマ、ランドール、Naked Child、Games Peopla Play(カバー)等が披露されていた。
ランドール
先述の『LION』と『ランドール』は、同じくインディーズバンドとの対バン企画で販売されていたことから、比較的、有名な曲かも。
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Tama楽曲の本髄はバラードと言われるくらい、泣かせる曲が多い。
ここから、暗い曲を紹介していく…。
優
メロディが美しく、シンプルなバンドサウンドではあるけど、なにぶん歌詞が悲しいしそれを歌い上げる明仁さんの歌もうますぎるので、あまり聴けない曲。
インディーズ時代のバラードは、優しくもどこか悲しく、胸を抉られるような曲が多い。
Cry on the river
Tama作曲が中心な中、作詞作曲が晴一さんと言われるこの曲。
これもまた特徴が出ていて、『カルマの坂』のような小説感、映像化して欲しい感。
インディーズ時代に関する情報が少ないために、どんな状況で楽曲制作していたのかと想像に頼る。考えれば考えるほど、テーマを考え過ぎてしまう、そんな曲。
上記は2020年にアップされた映像だが、ストリングスがいる・・・。
他の映像から察するに、1997年頃と思われるが、この頃は既にメジャー契約をしている「準備期間」だからこそのアレンジだろうか。
まさかデビュー前のバンドとは思えないアレンジ、東京ドームでのNAOTOストリングスがあっただけにポルノ=ストリングスアレンジは切っても切れない縁のように感じる。
左に下る坂道
一転して爽やかポップス。
こういう曲もいいよね。歌詞の雰囲気的に、『Aokage』のような、因島の頃を書きました、みたいな。(「あの伝言板に残した伝言 確かめにゆく」という歌詞、もはや今の若者に伝わるのだろうか………)
クリーンサウンドで軽やかさを演出しておきながら、ソロはゴリっと、でも泣きメロのポイントを押さえている、というような構成がインディーズ時代の特徴のひとつだと思います。プロデューサーもいたわけではないだろうに、よくこんなうまく作り込めるな。
Naked Child
ある意味、タイトルがポルノな曲。
なかなかテープは劣化する性質があって、歌詞がほとんど聞き取れず…。
メジャーデビュー後の違いは色々あるけれど、ことギターに関してはカッティングが多いよね、インディーズ時代は。
パラシュート
一部では「それだけじゃない」という曲名でも出回っているが、「パラシュート」が正式名称らしい。(歌詞も確認する限り、パラシュート、Fly again というワードが含まれるあたり、そのほうが確からしい)
以前はこの曲のフルバージョン(同ライブ内容)もアップされていた。
インディーズ時代はレスポールを使っていたとしても歪み、ハードなリフよりカッティングが多い印象があり、この曲もその例に漏れない。
使用しているレスポールはよく見えないが、"別冊俺”に基づけば東京進出の意気込みにかけて購入したモデルなので、97-99年頃だろうか。
GATE
ハードロック + ファンクの融合といえば、バンド名の由来にもなっているEXTREME。
インディーズ時代は、このバンドを意識していたと思われる曲はいくつもある。『GATE』もそのひとつ。
やっぱTamaのベース好きだな〜。
ライブが活動の中心となると、お客も参加できる曲が必要になってくるからか、掛け合い/コールアンドレスポンスが多く取り入れられているのも、気になる点。
でもこれなんて言ってるんだろう…。Take it?
POW... (...POW)
最後は、ライブ会場で手売りしていたとされるカセットから、「POW... (...POW)」
ベース上手いな〜カッティングがファンキーだな〜
ってこれラリーグラハムのPOWじゃね?!
そんな具合に、洋楽からインスパイアされていたり、何をどう感じてか、Games People Playをカバーしていたりしたインディーズ時代。
今は今の良さがあるし、演奏力ももちろん今の方が高い。
本人たちが公言しない以上、「非公式」な音源をこっそり聴いてルーツに思いを馳せるのもいいな〜と。私が高校生の時にはもっと音源が転がっていましたが、7年も経つとさすがに削除されていました。
そんなポルノグラフィティも20年以上に渡る活動を続け、稀代のソングライターだったTama在籍期間を上回った。
そのTamaも、休止(※表立った活動発表のない期間)を経て、本名:白玉雅己 名義でTwitterを開始。
さらにはサポートミュージシャンとして共にステージに立った ただすけさん(Key)、ポンプさん(Dr)と表舞台にも復帰。
ポルノグラフィティへの合流はさておき、各メンバーの活動が注目される。
時の流れは早い、そしてポルノも息の長いバンドなんだと感じる今日はワールド☆サタデーグラフティ!
※YouTubeでは削除されているいくつかの楽曲、ニコニコ動画ではまだ視聴できることを確認
小さな鉢のサボテン〜Cry on the river〜 M・O・O・D〜Don't Bite My Legs〜ジレンマ〜デッサン〜Gate〜左に下る坂道〜Winter's man
ポルノグラフィティ ワイラノクロニクル―B.PASS SPECIAL EDITION
- 作者: B-PASS
- 出版社/メーカー: シンコーミュージック
- 発売日: 2001/03/01
- メディア: 単行本
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【2016/10/23 追記】
インディーズ時代の曲の歌詞がまとめられているサイトを発掘しました。
耳コピと思われ、一部日本語的に”??”な箇所はありますが、音源(カセット)自体が所在不明な現在、貴重な資料です。
【2018年2月3日追記】
こうして聴くと、サボテンはどのバージョンでも演奏でも、良い曲ですね。
ツアー中ですが、しまなみテレビ、待ち遠しい。