ついに、山口百恵の楽曲もサブスク解禁された!
音楽番組の特番、特に名曲特集など組まれた暁には確実に取り上げられていたし、地元ゆかりの「ちびまる子ちゃん」の中でも「百恵ちゃん」の名が登場していたこともあって、両親世代(40-50代)の歌手でありながらも私個人も通ってきた音楽だ。
しかし、
山口百恵は14歳でデビューし、人気絶頂の21歳で芸能活動を終える
このインパクトよ。
曲によってテーマが30代の男女のやりとりとして捉えても違和感がなかったり、歌い方も時に太く艶やかな声色で表現していたりと、有名曲のほとんどが20歳にも満たない時分で発表されていたと思うと、伝説級に聴き継がれるのもうなづける。
サブスク解禁を受けて、「山口百恵のこれを聴いておけば間違いなし!」的な記事は乱立されているだろうが、ファンのひとりとして私も参戦してみることにした。
ロックンロール・ウィドウ
本人が指名したこともあり、作詞作曲の大半は阿木燿子・宇崎竜童ペアだ。
宇崎竜童といえば、私の地元の清水みなと祭りでの楽曲の多くを制作・提供してくださったこともあってある種、百恵ちゃんよりも早くに聴いて育ったと言って過言でない。
港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ で知られるダウン・タウン・ブギウギ・バンド時代からもわかるように阿木燿子・宇崎竜童楽曲はロックを基調としたものがとても多い。
ロックンロール・ウィドウも、その名が表す通り、ここまでやるかというくらいゴリゴリのロック。近年はSCANDALがカバー、時に音楽番組で宇崎竜童自身とも共演することもあって、(原曲は知らずとも)耳にしたことがある人もいるだろう。
音楽番組出演時、百恵ちゃんとギタリストが背中合わせにギターソロを演奏しているシーンを観たことがあるが、それにしてもこの長尺のソロ、かなり挑戦的だなぁと今聴いても思う。
曼珠沙華
聞きなれない名前だが、彼岸花のことを指す。
「死人花」「幽霊花」という別名もあるだけあって、ロックンロール・ウィドウのカラッとした雰囲気と比べると、さながらLed Zeppelin のBabe, I'm Gonna Leave You 的な重たいアコギとエレキの絡みが印象的だ。
ちなみに まんじゅしゃげ と読むこの花、曲中ではマンジューシャカと歌っている。これはサンスクリット語ではマンジューサカ と呼ばれるらしく、それに倣っていると聞いた。私自身、長い間マンジューシャカ が正式な(花の)読み方と思っていた。
神様のおぼし召し
ロック、ないしアコースティック・ロックと比較するとかなりファンク寄りの楽曲だが、これも作詞:阿木燿子、作曲:宇崎竜童。さながらTower Of Power的な重たいリフのファンク。
最近の流行りのバンドでももちろんうまい人はいるんだけど、この時代のゴリゴリしたベース、ギターは今聴いてもギター弾きには参考になるくらい、かっこいい。楽器数も今ほど多くはないから割とハッキリ聞こえるし、スピーカーにつないで聴くとベースがうるさすぎるくらい。それがいい。
ダンシング・スターシャイン
この曲は編曲を務めた萩田光雄作曲。
ちょうどまたスポットライトを浴びているシティポップ、ディスコみが強い。AOR的なアプローチもあるように思う。
サブスク解禁にさしあたっていろんな曲を聴き直しているけど、本当に楽曲の幅が広いなと思う。デビュー頃のとしごろ、青い果実 のような少女のあどけなさを押し出した楽曲もあれば、ロックンロール・ウィドウ、プレイバック Part2のような大人の駆け引きがテーマになったり、かと思えばAORもある。解禁を入り口に、若いリスナーが増えるといいな。
しかしサビの「さぁ 踊りましょうよ」の部分のエフェクト、凄まじいな…。
おもしろいエフェクターを見つけて、とにかく使いたくなったギタリストみたいだ。
さぁ〜\シュワン シュワン シュワン/
Crazy Love
横浜ホンキー・トンク・ブルース的な曲調は宇崎竜童の得意分野(彼の場合は横須賀だが)かな、とも思えるが、井上陽水の詞曲。
宇崎竜童がもしこの曲を歌ったならば、灯台の光が見える港町にあるレストランのテラス とかが思い浮かぶが、井上陽水だとバーのナイトシンガー的な情景が重なる。
いい日 旅立ち
最後は谷村新司詞曲のこの曲。
さだまさし詞曲の秋桜もそうだが、宇崎竜童楽曲と比べると歌謡曲的な、思わず歌いたくなる気持ちを掻き立てる。
東京から静岡へ帰る時、新幹線ではいい日 旅立ち の車内メロディが流れる。この曲を聴くとそろそろ静岡に帰りたいなと思うものだ。
大学時代はバンドをやっていたこともあって、宇崎竜童楽曲を好んで聴いたりコピーしていたりしたけれど、どの時代も百恵ちゃんは色褪せないなあと思った。
いつの間にちびまる子ちゃんよろしく百恵ちゃん呼称してしまった。ずっと聴いていられるなあ。