物書きのリハビリ

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NHKが果敢にリモート制作ドラマに挑んでいる件

NHKで、キャスト・スタッフが一堂に会さず"テレワーク"で制作されたドラマ「今だから、新作ドラマ作ってみました」を観てみた。

 

『今だから、新作ドラマ作ってみました』"テレワークドラマ"5月上旬放送! | お知らせ | NHKドラマ

 

他の民放ドラマがどう動いているかキャッチアップできていないけれど、NHKがこのような試みをするんだなあという純粋な興味があった。

 

第一夜の今回は、遠距離恋愛中のカップルのやりとりがテーマ。

実際の世界よろしく、teams(ビデオチャット)でのやりとりがテレビ画面のメインだった。

 

おそらく今までのビデオチャットシーンは画面はめ込みだったり、"してる想定"の演技だったりしたのでどうしても、演技してる感があるように思えたのだが、今回は実際にオンラインで繋がっていることもあって、

・画質が荒い時がある

・teamsのチャット画面が映り込んでいる

・PCに顔が近づくと、声のボリュームもちょっと大きくなる

等、私自身もteams会議していて"あるある"な演出、演者の表情や間がリアルだな、とのめり込んでしまった。

 

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※画像出典:

カメラアングルの調整、録画もすべて俳優自身|Real Sound|リアルサウンド 映画部

 

また、第三者視点は部屋に取り付けられた定点カメラで、演者の表情にズームアップみたいな、カメラマンがいるからこそできる演出がないのも新鮮。小道具も、ドラマ用に制作する期間もリソースもなかったからか身近なものが(演者のPC、ピーナッツバター、宅配された段ボール等の企業ロゴがうまく映らないように)登場していたのも、面白かった。

 

報道番組やバラエティはリモートで解説、コメントしてるようだが、ことドラマに関しては新しいやりようを見た。

スタッフブログによると制作期間が超短期で、打ち合わせもフルリモートというあたり大変だったことが窺えるが、いち視聴者としては従来のドラマより生々しさ、リアル感を覚えながら観れたので、アフターコロナでも質感を醸し出すためにあえてリモートで撮影する場面が増えてきても不思議ではないと思う。

 

ちなみに、柴咲コウムロツヨシ高橋一生(敬称略)らが出演する第三夜はスマホ一台だけで撮影、登場する食事に至っては柴咲コウ本人が用意しているという。

 

テレワークドラマ撮影の舞台裏!~「転・コウ・生」撮影・美術編~ | 今だから、新作ドラマ作ってみました | ドラマスタッフブログ|NHKドラマ

 

プロの撮影スタッフ、制作スタッフがいてこそ出来上がっていた作品は数多くあることはわかっている。もちろん、映像には登場しないが関わっているスタッフもたくさんいる。

が、作品テーマによっては、たった一台のスマホ、演者自身で用意する小道具だけでも事足りてしまう、あるいは、そのほうがリアルな・視聴者的にも共感できる演出になることがわかってしまうのも、コロナがもたらした影響のひとつかもしれない。

 

●第1夜 「心はホノルル、彼にはピーナツバター」 5月 4日(月)後11:40~0:10/総合 ≪一部地域は別番組≫
<作>矢島弘一            
<出演> 満島真之介  前田亜季  

●第2夜 「さよならMyWay!!!」 5月 5日(火)後11:15~11:45/総合
<作> 池谷雅夫             
<出演> 小日向文世  竹下景子

●第3夜 「転・コウ・生」 5月 8日(金)後11:40~0:10/総合
<作> 森下佳子  <音楽> 宮崎誠
<出演> 柴咲コウ  ムロツヨシ  高橋一生