前回、ポルノグラフィティの楽曲から垣間見える洋楽からの影響について考察した記事を書いたところ、アクセスが伸びていたり検索結果上位にあがってきたりといった反響がありました。
この記事も2016年に書いたものでしたが、あれからまたネタが溜まってきたので第二弾を書いてみます。
今回も洋楽を中心に、邦楽、歌謡曲方面からの影響も含めて考察しています。
※パクリ・盗作の指摘ではなく、「影響を受けた」の観点すなわちオマージュの面白みを楽しんでもらうことを意図しています
1. ミュージック・アワー
言わずと知れた、ポルノの代表曲。
この曲が影響を受けていると思うのはEarth, Wind & FireのSeptember
Aメロ(「この番組では みんなの〜」と「Do you remember」) のリフ。
原曲でもリフから影響を感じられますが、
映像化されているBITTER SWEET MUSIC BIZ" LIVE IN BUDOKAN 2002、
幕張ロマンスポルノ'11 〜DAYS OF WONDER〜 でのアレンジを聴くと
よりEarth, Wind & Fire感があります。
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2. 愛が呼ぶほうへ
この曲に影響を与えた雰囲気を感じられるのが以下の2曲。
A Whiter Shade of Pale / Procol Harum
どちらもオルガン + ピアノのバラードですが、
特にベースでしょうか。
シンプルながらしっかりと曲を支え、情緒的な雰囲気を演出している、
個人的に好きなTamaベースのひとつ。
ちなみにA Whiter Shade of Paleが後世の音楽業界に与えた影響は大きく、
ジョンレノン、ユーミンをして次のように言わしめた曲。
生前のジョン・レノンも、この曲をお気に入りのひとつとして挙げており「人生でベスト3に入る曲」と語り、発表当時の1967年には「今の音楽業界で、この曲以外は聴く価値がない」と発言していた[11]。
日本のポピュラー・ミュージシャンにも影響を与え、松任谷由実はこの曲をきっかけに音楽を自作するようになる。山下達郎も当時ラジオでこの曲を聴き、すぐにレコードを購入し、その日のうちに100回は聴いたという。
そう考えると、ひこうき雲にその片鱗が見えることも、
まして愛が呼ぶほうへにその要素が取り入れられていることも納得です。
3. 稲妻サンダー99
数あるポルノの曲の中でも遊び心的ニュアンスの強いこの曲。
Diamond Head / The Ventures
Misirlou / Dick Dale
スリリングなリズム、メインのリフはベンチャーズの影響を感じられますし、
中盤の高速ピッキングや終盤の歌詞「ッハッハッハッハ」は
日本でもウォーターボーイズはじめ多くの映画、ドラマ、CMで耳にするMisirlouへのオマージュですね。
4. タネウマライダー
16thライヴサーキット “UNFADED“ で久々披露されたこの曲。
愛の水中花 / 松坂慶子
楽曲そのものというより、終盤で畳み掛ける歌詞に
愛の水中花からの引用。
前回の記事で紹介したNaNaNa ウィンターガール における
君は天然色のように、しれっと歌詞に織り混ぜるのがうまい曲の一例。
5. ギフト
So Far, So Please / Prince
昭仁さんもまたプリンス好きと聞きますが、
どちらかというとこれは「似てしまった」のほうかもしれません。
<ホール>のリフがDeep Purple の Smoke On The Water っぽいことに
後からメンバーから指摘されたというエピソードがあるくらいなので…。
6. 光のストーリー
ポルノの中でも珍しい、ロックバラード。
Open Your Arms / Journey
WikipediaのPANORAMA PORNOの項目でもまとめられているように 、
JourneyのOpen Your Armsを意識したアレンジがされていると
本人たちが雑誌インタビューで語っています。
この曲も久々の本間さん編曲ですが、
こういったおいしいとこどりなアレンジが好き。
このブログで取り上げている洋楽っぽさは、
むしろak.hommaからの影響かもしれませんね…。
7. ワン・ウーマン・ショー 〜甘い幻〜
ある意味、カメレオン・レンズ よりタイアップ感のある
ドラマチックなこの楽曲。
サビの雰囲気はレイニーブルーかな、と思われます。
ワン・ウーマン・ショーもレイニーブルーも、
こういった物語のある曲が好きなのですが
どうもポルノ的じゃないという反応もあったと耳にします。
アルバム内またはカップリングでも良いから、
この路線もまた聴いてみたい…。
こうして聴き比べてみると、ポルノのルーツが見えてきて楽しいものです。
曲そのものではありませんが、ライブアレンジもおもしろく
BITTER SWEET MUSIC BIZ" LIVE IN BUDOKAN 2002 で
空想科学少年のギターソロにG線上のアリアを取り入れていたのは衝撃でした。
メンバーはもちろん、ツアー参加するサポートメンバーとのセッションから生まれるアレンジもあるのかもしれません。
以上、楽曲アレンジ考察回でした。