今年の8月に行ったカザフスタンはアスタナ。
万博も無事9/10に閉幕しました。
今回のエントリーでは、もうひとつの来訪テーマであったカザフスタン料理、中央アジアについて、滞在中に食べたものを中心に備忘録を残そうと思います。
ラグマン(Лагман)
ラグマンと呼ばれる、日本で言うところのうどん。
中央アジア全域で食べられていて、国によっても、同じ国内でも地域によって風味が異なる。
使用されているのは羊肉。基本的にカザフスタンで提供される肉は羊か馬であることが多い。
日本にも中央アジア料理を食べられるお店はたくさんあって、その多くでラグマンはメニューにあるので比較的、日本にいながら体験できる料理だと思います。
ちなみに通常、円形もしく楕円形のお皿に盛りつけられることが多いラグマン、写真のような四角いお皿(容器)に盛られているのは珍しいです。
プロフ(Плов)
中央アジアの炊き込みご飯、プロフ。
にんじん、たまねぎ、羊肉とご飯を混ぜ合わせたものです。
国が変わるとポロ、ピラフなどと聞き馴染みのある呼び方になり、語源はパエリアに通じるものがあると聞きます。
そのうえに乗っているのはアチク・チュチュクサラダ。
各々の適量をとってプロフと一緒に食すことが多いのですが、今回ははじめから盛りつけられていました。
プロフもまた国・地域でスタイルが異なり、写真のようにご飯と肉・野菜がごちゃ混ぜになっているもの、うえから順に肉・野菜・ご飯と階層を作って盛り付けるものがあります。
日本で作らせてもらった時のプロフとアチク・チュチュクサラダ。
こちらは後者の階層を作る盛りつけ方をしています。
おなじみのプロフ、中央アジアの炊き込みごはんです。
— おいしい中央アジア協会 (@0141CentralAsia) 2017年8月22日
今回トライしてみたものは、アチク・チュチュクサラダ(トマトサラダ)が既に混ぜられていました。(写真右)
ほかのお店では、写真左のようにプロフ単体で提供さらていたので、お店ごとの趣向があるようです。#カザフスタン #中央アジア pic.twitter.com/tu3naaaUeu
プロフの味付けは比較的シンプルで、調理方法を教えてくれるブログや教室は多くあります。
さっきAmazonで調べたら、プロフの素が出て来た!なんでも揃えてるなあ。
グーラッシュ(Гуляш)
ビーフシチューのような食べ物、グーラッシュ。
ハンガリー起源のようで、ハンガリーではグヤーシュ、ドイツではグーラッシュ、モンゴルならグルヤシと呼ばれるとのこと。
シチューの隣にあるのはマッシュポテトで、いわばご飯のような立ち位置ですね。
おもしろいのが、カザフスタンでもポテトを掬ってシチューをつけて食べる人、ポテトとシチューをごちゃ混ぜにして食べる人に別れるらしく、日本のカレーライスの食べ方論争みたいなものは、どこにでもあるんですね。
スイルーガンファン(Суйру-ганфан)
冒頭で紹介したラグマンの「麺」がご飯に置き換わるとガンファン、と変化します。
日本食で例えるなら牛丼、ここで使われているのは羊肉なので羊丼といったところでしょうか。
ちなみにスイルー(суйру)とは具が細かい、汁が多い・汁だくであることを意味し、具が大きい・汁が少なくなると、グイルー(гуйру)と呼ばれます。
マンティ(Манты)
中央アジアの蒸し餃子、マンティ。
1つあたりの大きさは日本で見かける餃子よりも大きく、5つもあるとお一人様ならお腹いっぱいになってしまうほど。
もちろんここでも羊肉が使われており、見た目・食感としては小籠包をイメージしたら近いのではないかと思います。
カザフスタン、中央アジア料理のおもしろいところは、調べてみると馴染みのある食べ物とよく似ている・ルーツが同じものが意外と多いことです。
まだまだ日本では、中央アジアと聞いて国名が思い浮かぶほどには知名度が高いとは言えないかもしれませんが、いわゆる突飛な調味料・香辛料が使われているわけでもなく、馴染みのない食材が並ぶわけでもなく、日本人の口にあう料理が多いです。
プロフをつくらせてもらったときも、味付けは塩と肉・野菜の旨味だけでした。
東京にも中央アジア料理を提供するレストランは多くありますので、こちらも別の機会にまとめてみようと思います。
ベシュパルマク(Бешпармак)
最後に紹介するのは馬肉を使った料理、ベシュパルマク。
ザ・カザフ料理といえるもので、特にお祝いの席では必ずといっていいほど提供される料理です。私の好物でもあります。
太めの麺ともパスタとも表現できなそうなもののうえに、馬肉と玉ねぎをのせています。
中央アジア料理全般に共通することですが、一品あたりの量はなかなか多く、一人で数を試すには難しいところです。お腹が満たせるのは嬉しいことですが。
カザフスタン人の結婚式に出席した知人曰く、ボリューミーな料理が(前菜から)提供され、メインディッシュまたは終盤に差し掛かって「お待たせしました!」と言わんばかりに出てきたのがベシュパルマクだった、とのことです。
1年に1回程度 訪れている私のような者なら大好物です!となりますが、現地に暮らす日本人ともなるとあまりの登場頻度にまたか…と感じるようです。。。
それほどまでに、ベシュパルマクはカザフを代表する料理なのですね。
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今回紹介した料理はほんの一部。
現地まで食べに行くのはハードルが高いですが、東京にある中央アジア出身の方が調理しているレストランやバーでまず挑戦してみるのも良いかもしれません。
実際に作ってみよう!というイベントもあるようで、案外、中央アジアコミュニティって日本にもあるんだな、と気付かされます。