ポルノグラフィティ 16th LIVE CIRCUIT "UNFADED" 横浜公演2日目を観に行ってきました。
今回のツアーコンセプトは、サブスクリプションでポルノの全楽曲がリリースされたことに伴い、新旧全ての曲を横並びにしてセトリを組めること、
どの曲も色褪せない(=UNFADED)ことに基づいています。
アルバムツアーはアルバム収録曲が中心になるし、
ロマンスポルノも近年演奏していない曲を取り入れることもある一方
定番曲枠の宿命もあって、珍しい曲枠は少なめ。
そんなこともあり、どんな曲が演奏されるか期待が高まっていました。
今回のサポートミュージシャン:
Dr. 野崎真助さん
Ba. 須長和広さん
Gt. tasukuさん
Key. 皆川真人さん
Mp. nang-changさん
sp.pornograffitti.jp
※福岡と横浜公演だけはベーシストがスティング宮本さん。
※以下、ネタバレを含みます。
執筆時点でツアーは終了していないので、残りの公演に参戦予定の方はご了承ください。
UNFADED @横浜アリーナ 2日目 セットリスト
※()内は晴一さんの使用ギター
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オレ、天使(レスポール)
A New Day (黒テレキャス)
幸せについて本気出して考えてみた (黒テレキャス)
-MC-
東京ランドスケープ(白テレキャス)
ジョバイロ (ガットギター)
-MC-
ヴィンテージ(白テレキャス)
前夜(レスポール)
ビタースイート(Jimmy Wallace Vモデル)
DON'T CALL ME CRAZY(レスポール)
Zonbies are standing out(Jimmy Wallace Vモデル)
-MC-
見つめている(昭仁さん弾き語りワンコーラス)
夕陽と星空と僕(昭仁さん弾き語り)
Didgedilli(レスポール)
カメレオン・レンズ(白テレキャス)
海月(白テレキャス)
フラワー(レスポール)
-MC-
オー!リバル(ガットギター)
ジレンマ(白テレキャス)
パレット(白テレキャス)
サウダージ(黒テレキャス)
ハネウマライダー(黒テレキャス)
-MC-
∠RECEIVER(レスポール)
-UNCORE-
タネウマライダー(Jimmy Wallace レス・ポールジュニア・タイプ)
ライラ(白テレキャス)
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暗転すると、教会風の女性コーラスが響く。
それに重ねるようにレスポールの重たいリフが乗ると、オレ、天使から本編スタート。
アレンジはOpen Music Cabinetに近い構成。
ただし途中にベースソロはなく、その分長尺のギターソロでした。
続くA New Day、幸せについて本気出して考えてみた 。
幸せ〜については、近年の披露時にみられるアルバムバージョン、
ロングアウトロバージョンではなく、シングルバージョンでした。
恒例の「わしらがポルノグラフィティじゃ」でスタートした短めのMCを挟んで東京ランドスケープ。
NAOTOさん参加時はVioソロになっていたサビ後は、
スタジオバージョンのギターソロをtasukuさんが担当。ES-335の鋭い音が響く。
この曲に限らず、最近のライブでは晴一さんのギターソロは
アドリブのような、自由度の高い内容になってきているなという印象。
それにしても、出番の増えてきた白テレキャスはクリーントーンでも
歪んだハードなフレーズでも使い勝手が良いですね。
今までならレスポールで弾いていたであろう曲でも似合ってしまう。
皆ちん こと、皆川さん(Key)のクラシカルなソロを挟んでジョバイロ。
NAOTOさん不在のためか、リズムギター(アコギ)はtasukuさんが担当し
晴一さんはアゲハ蝶でもおなじみのガットギターでメインフレーズを演奏。
2回目のMCでは改めて晴一さんからUNFADEDの意味について。
これまでのライブレポでも報告があったように、
サブスクリプションの説明はふわ〜っと。。
ちなみに今回の模様は3/24にWOWOWで放送されるため
「カメラ多いね!」という気合いアピール、
「さっきの(サブスクの)くだり、編集して撮り直してもらおう。。」と触れつつ。。
MC後に演奏されたの久々のヴィンテージ。
この曲もギターがレゲエノリだからか、スタジオバージョンよりは
ミュートを効かせていました。
ピコピコ音はnang-changかな?と思えばtasukuさんがシンセサイザーで演奏。
ちなみにギターソロは歪ませず、クリーントーンでした。
続く前夜はギターソロ前、アウトロで昭仁さんのハーモニカプレイが。
ビタースイートは半音下げての演奏。
それによって原曲より重たくハードな印象を受けます。
DON'T CALL ME CRAZYのギターは Killerじゃない分、
ソロはアームプレイを見せず。
突然オペラが流れたかと思うと、
声がトーンダウンしていきZombies are standing outへ。
PVではバンド名の由来でもある、EXTREMEのギタリスト:ヌーノ・ベッテンコートモデルのギターを弾いていたから登場を期待していましたが、Jimmy WallaceのフライングVモデルでの演奏。
演奏が終わると小鳥のさえずりと共に、ギターを持った昭仁さんが登場。
曰く、前回のツアー BUTTERFLY EFFECT から、
小鳥のさえずり=弾き語りコーナーとのこと。。
ここまでの効果音の使い方的に、音のない森、天気職人の伏線かなと思っていました。
改めてサブスクについて触れ、メンバーたちも過去作品を聴き直すことが増えたこと、それによって「なんだこの曲?!(暗い!病んでいたんじゃ??)」という曲、「案外いいじゃん!」という曲、「この頃はまだ表現力が足りなかったな・・・」という曲があるという発見をする中、「どうしたこの曲?!」として、見つめている をワンコーラス披露。
弾き語りだと9th系のジャジーなコードの響きが特徴的でした。
ボサノヴァアレンジも向きそうな印象。
ちなみにこの曲がストーカーチックな表現になってしまったのは、
初めてアキヒト詞曲担当曲が世に出るにあたり、
こんな顔もあるんだぜ、と張り切った結果だと回顧していました。
(自身は爽やかな恋愛をするんよ!と自己フォローしつつ。。)
一転してファンからの支持が厚い曲として、夕陽と星空と僕。
アルペジオから曲終盤のストロークプレイまで、アレンジがとても良かった。
長年、ポルノのアコギ練習曲としてサボテンがよく挙がるけれど
次のステップとして、このアレンジが採用されても良いと思う。
続いてレスポールでのソロプレイと共に始まったのはDidgedill。
アドリブの披露が増えてくると、晴一さんの手グセは70sロックだなと感じる。
ソロ回しはあれど、構成はLed Bootsなしのスタジオバージョン同様。
(恐らく)nang-changのシンセによる宇宙的なエフェクトからカメレオン・レンズへ。
前回のツアーでは森男さんとのツインギターだったソロは、tasukuさんとプレイ。
そして初披露となる海月、フラワーへと続く。
3回目のMC、じっくりと聴く曲が続いたけど大丈夫?楽しんでる?と投げかけつつ、怒涛の「暴れて帰れよ!」の曲ラッシュ。
「熱い魂がぶつけてくれ!」と言わんばかりに盛り上げつつ、
晴一さん「この曲のイントロは顔が命なんよ。福山雅治の魂が乗り移りますように・・・」
と二人で祈るような動作を見せつつ、弾き始めたのはオー!リバル。
カッコつけて弾くんだけど、途中笑っちゃって観客も笑っちゃいながらも曲スタートなんて、ポルノのライブは自由度が増したんだなあ、20年目の余裕かなあ、としみじみ。
スティング宮本さんのベースソロから
次に演奏されたのは意外にもジレンマ。
長年アンコールラスト一曲で演奏されているこの曲、
1曲目に演奏された Cupid (is painted blind)ツアー、
そもそも演奏されなかったロマポル(10イヤーズギフト)もある中、
今回はイントロやリフにアレンジが施されていました。
特にAメロの部分があまりに大きく違い過ぎて、
(ボーカルと演奏陣、違う曲弾いてる・・・?)と思ってしまうほど。
多分あれはCreamのWhite Roomじゃないかと思うんですが、
その答え合わせはWOWOW放送時に確認したいですね。
ギターソロはワウを踏んでいたから、なおさらWhite Roomを彷彿とさせました。
ちなみにベースソロはなし。
7回目のツアー:SWITCHのDVDにワンコーラスだけドキュメント形式で収録されていたバージョンのようなドラミングで突入したのはパレット。
この曲もまたストリングスが印象的だから、NAOTOさんが参加しなくなったことで聴けなくなると思っていただけに嬉しい。
サウダージ、ハネウマライダーと続くと、ライブ終盤だなと感じてしまう。
前回のロマポル(Deep Breath)のライブビューイングでファンの間で話題になった連続Hey You! は今回も健在。
4回目のMC、「周りには色褪せていくものが多い中、色褪せない、色褪せてはならない記憶を手に持って進んでいきたい」と語って演奏されたのは∠RECEIVER。
この曲は311以前に作られたにも関わらず、あまりに内容が事実に重なることが多く言葉や曲が持つ力を感じさせられたロマポル(ポルノ丸)以来の演奏でしょうか。
つい最近、西日本豪雨被害も起きていただけに、この曲がこのタイミング、曲順で演奏されることにも意味を感じざるを得ません。
本編終了後、アンコール1曲目に「マニアックな曲が多い中、どえらいのを持ってきた」のはタネウマライダー。
不埒な内容ゆえに昭仁さんから「こんな歌詞を書いた人でなし」と紹介される晴一さん
「ガツンと、俺たちもロックだから、大人たちが眉を顰めるような曲を作りたかった。十何年経って、大人になった僕が眉を顰めている」
ちなみにJimmy Wallaceのレスポールジュニアはこの曲でのみ使われていました。
恒例のメンバー紹介を経てラスト一曲。
ジレンマを本編に使ってしまって、ラストに何がくるかと思えばライラ。
曲中に 登場するロシア語の掛け合いはスクリーンに表示。
ツアー序盤のこのツイートはそういうことだったんですね。
この曲でもソロ回しがあるが、ここまでのツアーでは
他ミュージシャンの有名曲のフレーズをみんな弾いていたみたいですね。
演奏にあたって晴一さん「今日は(WOWOWが)入ってるから!(権利関係のこと)したら大人の人にめっちゃ怒られるよ!」と注意喚起。。
ではどんなソロ回しになったかというと・・・
Dr. 真助:ミュージック・アワー(ドラミングでサビを表現)
Ba. 須長さん:アポロ
Key. 皆川さん:アゲハ蝶
Gt. tasukuさん:横浜リリー
Mp. nang-chang:Century Lovers
ポルノの曲だから権利関係、大丈夫だね!
みんな今回のツアーで弾いてない曲ばっかだね!
満を辞して弾く晴一さんのソロ!
・・・あれ??(WOWOWにて答え合わせ)
ライラの合唱でアンコールも終了。
こうして幕を閉じたUNFADED @横浜アリーナ。
ツアーコンセプトからして新旧織り交ぜて選曲されることが予想されたUNFADED、そして発表された東京ドーム2days。
2日間異なるセトリを用意するというドーム公演も期待が高まります。
UNFADEDの満足度も高いが、如何せん20年分の曲数ゆえに長く演奏されていない曲、そもそもライブ披露されていない曲がまだまだあるポルノグラフィティの「神セトリ」、そして20年目の活動が楽しみです。
※白テレキャス=Fender Telecaster 1962(写真左側):
※Jimmy Wallace Vモデル=: